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〈6.15北南共同宣言と在日同胞社会−3〉 北南鉄道

共同宣言に行動で対応

 今月中旬、朝鮮半島の北と南を結ぶ東海線と西海線鉄道を連結するための行事が現地で行われる。分断の壁を崩す歴史的な出来事になるが、実は連結作業を進めてきた西海(京義)線約20キロのうち、非武装地帯(4キロ)内の北南それぞれ1キロ分の鉄道復旧建設を、非武装地帯の鉄道建設を推進するNPO法人(特定非営利活動法人)「三千里鐵道」(愛知県豊橋市)が支援した。

 同団体は、6.15共同宣言を履行するための閣僚級会談で合意を見た鉄道連結事業に、海外の同胞が共同宣言に応える具体的な行動として、その連結事業に直接寄与することを目的に、在日同胞と日本市民が呼びかけ人となり2000年9月に結成された。

 理事長を務める2世の都相太さん(61、会社役員)は、「鉄道が連結され、共同宣言がさらに履行されれば、民族分断線の象徴、軍事境界線(38度線)は、和解と平和、統一の象徴として生まれ変わる。ならば実際に行動することが現実的。形、そして在日の心にも残るものをと思って線路を選んだ。共同宣言には、在日同胞も民族の一員としてどう変わるべきかというメッセージも含まれている」と強調する。都さんのアイデアはまさに形としても、心にも残るもので、共同宣言の履行に在日同胞がかかわっていくひとつの方法を示したものと言える。

同胞の心の故郷に

 募金伝達後、北側の鉄道分断点を訪れる

 朝鮮半島は古来より「三千里錦繍江山」(美しい国土、故郷という意味)と称されてきた。しかし、日本の敗戦後、非武装地帯内の38度線を境に南北に分断された。当然、鉄道も分断された。その鉄道を連結し、非武装地帯を祖国の統一、世界平和の象徴として変えようと、団体名を「三千里鐵道」とした。

 これまで延べ約1600人が賛同、約2000万円が集まり、昨年、非武装地帯内の鉄道1キロ分の募金を北と南にそれぞれ伝達した。

 「非武装地帯の鉄道を連結し、そこを心の故郷として創造したい。ただ単に共同宣言が履行されるのを見守るのではなく、在日として何ができるか、何をすべきかが大切なのだと思う」

次世代にも伝えたい

 連結事業が進む一方で、この事業の意味を次世代に伝えていくことも重要だ。

 だから「若い世代が連結工事に微小ながらも実際に携わって、その意味をより多くの人に知らせていってほしい。歴史を克服していく第一歩だ」と提案する都さん。「民族を愛する心が増すとともに、在日であることがおもしろい≠ニ思うようになってくれれば」と語っていた。(羅基哲記者)

[朝鮮新報 2003.6.5]