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〈6.15北南共同宣言と在日同胞社会−2〉 民間女性交流

ウリ民族同士

 「祖国の分断後、北南間ではこれまでさまざまな合意をみ、国の統一に向けて対立から和解と協力へと向かってきたが、こんにちほど、統一問題が現実問題として進んでいることを感じたことはない」

シンポジウムで歌を披露する女性同盟大阪の代表ら

 女性同盟大阪東成支部の金甲年非専従総務部長(45)は、統一問題の進展現状についてこう分析する。

 金さんは昨年8月、ソウルで開かれたシンポジウム「韓半島の平和と統一のための女性たちの出会いの広場」に、女性同盟大阪の代表の一員として参加した。

 1回目のシンポは、南の女性団体中心で統一問題について語り合った。2回目となった昨年のシンポには、主催の韓国女性神学者協議会の招請により女性同盟大阪の代表らも参加。統一問題に対する互いの立場を確認し合った。

 その場でとくに南の女性たちは、女性同盟が民族の一員として統一運動に尽くし、異国の地で民族性を守り発展させてきたことについて、驚きと感動を隠しきれないでいた。

 また朝鮮戦争後の復旧建設の中、北の援助で総聯が民族教育を発展させてきたことを歌った歌も披露したが、南の参加者らは全員、涙を流して理解を示したという。

 「こうした歌を南で歌えるようになったこと自体、時代が統一へ向け確実に進んでいることを示している。南の参加者の言葉の端々からは『ウリ民族同士』『統一大団結』というフレーズが頻々に飛び出していたことも印象的だった。6.15の精神が南の女性たちにもしっかりと根づいていることを確認することもできた」(金さん)

北も南もひとつ

 初めて、父母らの故郷の地である南を訪れた金さん。当時、6.15共同宣言発表から2年が過ぎていたものの、嫁ぎ先、実家の両親ともに「国が統一するまでは行かない」と、生まれ故郷を訪れていないなか、先に南の地を踏むことが気がかりでしかたなかった。しかし、金さんの南での活動が統一を近づけるものであると、両親らも金さんの南訪問を勧めてくれたという。

 こうした経緯を経て、南の地での初めての交流を実現させた金さん。仁川国際空港に降り立った時は、以前訪れた北の地と同じような景色や空気の匂いに、「北も南もひとつの国であることを実感した」という。

共存、共栄へ

 在日同胞に今後求められることについて金さんはこう語る。

 「南訪問を通じて、あらためて同じ民族であり、早くひとつになるべきだと思わせたことは、言葉が通じたこと。これも民族教育を通じてウリマルを学び、そして民族の心を培うことができたからだ。だから在日が引き続き統一運動を担っていくためには、民族教育を守りさらに発展させていく必要がある。北と南、そして国際舞台で活躍できる人材を育てるためにもだ」

 互いを理解し、民族が共存、共栄していくためには、さらなる交流が求められる。今、参加者の間では、「3回目のシンポはぜひ日本で」という声が上がっているという。

 金さんは、シンポが日本で開催されれば、「南の参加者らをウリハッキョ、そして私たちが朝鮮人として生きていくうえでの活動の基盤となっているこの東成支部に案内したい」と言い、「仲間を紹介し、もっと多くの人と、そして頻繁に会うことが、統一を早める道でもある」と語っていた。(李明花記者)

[朝鮮新報 2003.6.3]