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横須賀同胞高齢者の憩いの場「ウリマダン」(仮称)開設

 横須賀地域の同胞高齢者のための「ウリマダン」(仮称)が14日、開設した。同胞高齢者に憩いの場を提供、親ぼくを深めようと設立されたもの。総聯横須賀支部管下の施設で行われた開設の集いには、同胞高齢者を中心に約30人が参加した。

 集いではまず、横須賀同胞高齢者事業対策協議会の呉琴象会長があいさつ。「高齢化が進む中、同胞高齢者が元気で楽しく過ごせる場が切実に求められていた。その願いが今日実現できたことはとても感慨深い。『ウリマダン』は市もうらやむ立派な施設で、同胞たちのかけがえのない財産だ」と述べた。

 つづいて、「ウリマダン」開設の目的と運営計画について鄭泰律・協議会副会長が説明し、「同胞高齢者の親ぼくを深めつつ、ゆくゆくは介護事業などを高齢者自身の手で推し進めていこうとする場でもある」と強調した。集いの後、参加者らは「在日朝鮮学生少年芸術団のソウル・全州公演」のビデオを鑑賞。昼食、休憩をはさんで男性は囲碁大会、女性はチャンゴに合わせて歌を歌うなど楽しいひと時を過ごした。

 この日、同胞の集まりに初めて参加したという3人を含め、参加者たちは口を揃えて「すばらしい企画。立派な場を作ってくれた。私たち高齢者を思って働いてくれた人たちに何とお礼を言えばいいのか」「『ウリマダン』は、横須賀の民族文化と愛族愛国の歴史を語り継ぐ唯一の場だ」などと感想を述べていた。

 総聯横須賀支部では、新体制となった2001年8月から同胞高齢者事業を本格化させてきた。

 まず、2002年6月に同胞高齢者を含む朝鮮訪問(アリラン参観)を、同年9月には高齢者の旅行も催した。一方で、横須賀市の無年金対象者に対する「福祉給付金」給付の実態を調査。健康や医療などの悩み相談なども行ってきた。

 この過程で、同胞高齢者問題は総聯支部はもちろん、商工会、女性同盟支部や分会など組織をあげて取り組むべき問題であり、その際に組織中心ではなく高齢者自身が主人公となっていくべきだという結論に達した。

 そして「横須賀同胞高齢者事業対策協議会」(メンバーは11人)を発足させ、すべての高齢者問題をここで討議、実行するようにした。

 その一方で、行政との関わりを強くするために市の長寿社会課、健康づくり課など福祉部署への働きかけを行い、理解と支持を促してきた。また、川崎の「アリランの家」や京都の「エルファ」などでの経験や教訓を学ぶよう務めた。

 こうした約2年におよぶ準備と経験を経て、高齢者事業の拠点≠ニしての「ウリマダン」開設に至った。

 「ウリマダン」では当面、月1回の運営を定例化することを目標としており、ビデオ鑑賞やカラオケ、囲碁、健康相談など参加者の希望を取り入れてメニューを改善していく。6月(18、19、20日のいずれか)はビデオ鑑賞と鍼(はり)、指圧のボランティアサービス、7月(16日)は夏バテ克服料理などを予定している。

[朝鮮新報 2003.5.30]