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〈生活相談きほんのき−パート2−5〉 外国人を雇用したい。留意点は?

 Q.飲食店を経営しています。人手が足りないので、来日中の外国人を雇おうかと考えています。その場合、どのような点に注意すべきでしょうか?

 A.日本に在留する外国人の方は原則として在留資格を有しており、この在留資格によって就労活動の可否、制限の有無が決められています。また、これに対応して一定期間の在留期間が与えられています。

 雇い入れを予定する外国人が就労可能か否かは、まず在留資格と在留期間を確認する必要があります。その確認の方法としては、旅券(パスポート)、外国人登録証明書、就労資格証明書などの書類で行うことができます。

 現在、在留資格は27種類ありますが、原則として就労が認められない「留学」「就学」および「家族滞在」の在留資格を持つ外国人は、地方入国管理局で資格外活動の許可を受けることで、「留学」の場合は原則として1週28時間(在籍する教育機関が夏休みなどの長期休業中は1日8時間)まで、「就学」の場合は原則として1日4時間まで、「家族滞在」の場合は原則として1週28時間まで就労することが可能になります。

 就労資格証明書とは、日本に在留する外国人が現に有する在留資格、または現に受けている資格外活動許可に基づいて行うことができる就労活動および就労可能期間を証明する文書です。ただし、この証明書は交付を希望する外国人に対して交付されるもので、この証明書がないからといって、就労できないわけではありません。雇用する側もこの証明書がない者を雇ったからといって処罰はされません。

 しかし、不法就労外国人(不法入国者、在留資格に記載されている範囲を超えた就労や在留期間を過ぎてから就労を行った者)を雇用した事業主は、3年以下の懲役または200万円以下の罰金に処され、当該外国人にも3年以下の懲役または20万円以下の罰金が科せられ、強制退去となります。

 不法就労外国人であることを知らずに雇い入れた場合は罰せられませんが、旅券も外国人登録証明書も確認していなかった場合は、雇用主としての責任が問われることになります。

 また、日本国内で就労する限り、国籍を問わず、原則として労働基準法、労働者災害補償保険法、労働安全衛生法、雇用保険法、最低賃金法などの労働関係法令が適用され、健康保険などの社会保険についても適用されることになります。

 外国人だからといって労災保険、雇用保険、社会保険などへ加入しなかったり、賃金や労働時間など、労働条件において差別が生じる雇用はできないのでご注意ください。(韓鐘哲、社会保険労務士・行政書士・ファイナンシャルプランナー、西原経営労務コンサルタント事務所、同胞法律・生活センター相談員)

[朝鮮新報 2003.5.27]