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他店にない「炊き肉」−韓国家庭料理・ととり(横浜市鶴見区)

 昨年11月にオープンした新しいお店。申浩一さん(47)が一念発起し、脱サラをして始めた。「飲食店の経験がまったくなくていちから勉強した。思っていた以上にたいへんだが、自分の努力次第で店も繁盛させられるのでやりがいがある」と開店からの半年を振り返る。

 料理は10年間、焼肉屋で働いていた陳智子夫人(46)が担当、「店の運営全般もリードしている」とのこと。夫婦で切り盛りし家庭の味が楽しめるアットホームな店だ。

 「ととり」の最大の特色は、焼肉とともに「炊き肉」も楽しめることだ。焼肉と同じようにタレで味付けした肉をすき焼きのように鍋で炊くもので、智子さんの実家がある山口県下関では普通に食べられているものだとのこと。ホルモン鍋とも違い、スープは入れず、たっぷりと盛った野菜から出る水分でうまく炊けるのだ。

 内臓系は味噌味で、赤肉系はしょうゆ味で食べるが、両者を一緒にしてもいける。野菜はキャベツとモヤシがメイン。辛く食べたい人はキムチを入れる。キャベツから出る甘さが辛味とあいまって絶妙だ。関東では馴染みがなく他では味わえない料理。1度口にした客は次からも注文するそうだ。

 各種キムチが充実しているのもうれしい。季節の食材、旬の食材を使ったキムチが楽しめる。タケノコやタンポポ、ウドといった珍しいキムチが日替わりでホワイトボードに並ぶ。キャベツのキムチもぜひおすすめしたい。

 「家庭料理がベースになっているが、キムチとあえてスープといただくムッなど、一工夫加えた料理を出して、お客さんに喜んでもらいたい」と浩一さん。

 値段もリーズナブルで1人2000円もあれば食べて飲んで満足して帰れる。(徹)

 おすすめメニュー:ホルモン炊き(580円)、ウルテ炊き(480円)、ハラミ炊き(880円)、ムッ(380円)、チャプチェ(480円)、トッポギ(580円)、海鮮チジミ(800円)など。

 営業時間:午後5時〜午前1時。定休日第1、第3月曜日。TEL 045・582・0155

[朝鮮新報 2003.5.21]