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マクロの視点での朝・日連帯を

 「日本は、自らが周辺国に与えている脅威にもっと敏感になるべきだ」

 日本の労働組合が7日、共同で主催したシンポジウムで発言者が一様に強調したことだ。イラク戦争がほぼ終結し、「米国の次の標的は北朝鮮」と言われる中、日本政府は有事法制の準備を着々と進めている。

 小泉首相がイラク戦争勃発直後の3月20日、「武力行使を理解し、支持する」と発言したことや3月28日に情報収集衛星を打ち上げるなど、「普通の国」になるための一連の動きは最終段階に入ったように見える。

 そんな中、日本の市民らが声を大にしてこうした動きに歯止めをかけようとしていることに勇気付けられた。

 シンポジウムでは海員が職場報告を行い、「戦争が起きれば周辺海域だけでなく、世界のすべての海域が危険にさらされる」と指摘しながら、「国民保護法」も「船舶保護法」同様、結局は軍を優先させるための手段に過ぎないと訴えた。

 水島朝穂早大教授も、「反対する側も『戦争』『空爆』などの言葉を簡単に使っているが、これは無意識のうちに攻撃する側の視点から物事を捉えているからだ」と述べた。

 有事法制や教育基本法改定へと向けた国立大学の独立行政法人化への動きなど、日本の将来を大きく左右する問題がさしたる議論もなくどんどん進んでいる気がする。

 こうした風潮の中でいたずらに煽りたてられる在日同胞、朝鮮に対する差別、べっ視、排外主義。世論の猛反対を受けた大学受験資格問題に始まり、朝鮮学校生徒に対する嫌がらせや暴言。拉致問題や核問題解決のためには「き然」とした態度で強硬路線を取るべきとの主張も頻繁に聞かれる。

 日本が北東アジアの平和に貢献できるよう、マクロな視点で日本の市民らと連帯し問題を一つひとつ解決していくことが大切なのではないだろうか。(松)

[朝鮮新報 2003.5.21]