神奈川県川崎同胞生活相談センター内にNPO法人「アリランの家」開設 |
神奈川・川崎同胞生活相談綜合センター(川崎朝鮮会館)内に、特定非営利活動(NPO)法人「アリランの家」(ウリトンネ アリラン)が4月27日に開設、披露宴が催された。川崎高麗長寿会が事業拡大のために、県知事からNPO法人としての認証を受けたもので、今後、高齢者に対する訪問・通所介護、介護者・子どもの育成、文化交流など行っていく。NPO法人として活動すれば、事業計画に基づき行政からの助成金が支給されることから、1998年の同法施行後、都道府県および内閣府から認証を受け活動している団体は約1万2000にのぼる。うち、同胞関係では「京都コリアン生活センター」(京都市)、埼玉・東部の「トンポ生活相談センター(越谷市)が認証を得ているが、長寿会が中心となり、独自の力で介護サービスを幅広く行うのは地域単位では全国で始めてのこと。 高齢社会の要求
この日、開設の集いには、総聯中央・同胞生活局の河秀光局長、総聯神奈川県本部の李漢洙委員長、県高麗長寿会連合会の盧垠会長、同センターの梁吉洙所長、「アリランの家」の金三浩理事長(川崎長寿会会長)をはじめとする同胞らと、日本市民ら130余人が参加した。 「アリランの家」の金理事長、長寿会の金順牙副会長、川崎初中の崔美紗さんがテープカットを行った後、同会館講堂で披露宴が行われた。 披露宴では、金理事長があいさつ。開設までの経緯と関係者への謝意を述べながら、「同胞らの痛みを知り、苦痛を和らげる奉仕活動は、高齢化社会から高齢社会に変わりつつある同胞社会の要求である。地域同胞社会の活性化、発展に尽くしていきたい」と語った。 次に、総聯中央の河局長、同市市民局人権男女共同参画室の小宮山健治室長(阿部孝夫・市長のあいさつ代読)、市議会議員の坂本茂・自民党市議団団長がそれぞれ祝辞を述べた。 河局長は、@同胞の団結力A地域での専門家の育成B長寿会主導の事業展開C日本の行政との積極的な事業展開−があったからこそ、開設にこぎつけることができたと強調した。 披露宴では、朝鮮料理を食べながら、同胞たちが朝鮮の歌や踊りで開設を祝った。 送迎バスも
川崎市内の65歳以上の同胞高齢者は1000人を超えるが、そのほとんどが年金支給者から除外され、家族の援助や生活保護、市の高齢者福祉手当などで暮している。 こうした現状を踏まえ、同地域では4年前に高麗長寿会を結成、市から外国人老人クラブとして認定をもらい、補助金を受けながら地域の活性化に努めてきた。とくに2000年8月からは訪問介護事業を展開するかたわら、ふれあい活動支援事業も推し進めてきた。 こうした経験を土台に、昨年7月に申請書を提出、同10月に知事の設立認証書が下りるとともに法人登記し、今回の開設に至った。 会館1階には、80平方メートルの多目的ホールのほか、介護者用トイレ、調理室などが新設。送迎バスも準備した。 理事会には弁護士、税理士、司法書士、医師、看護師などの関係者が網羅され、「アリランの家」にはヘルパー(同センター所長=2級を含む)やスポーツ、文化の指導員、看護師ら15人のスタッフが常駐する。(羅基哲記者) [朝鮮新報 2003.5.6] |