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各地の同胞が語る「私とサークル」−野球サークルレッドスターズ(西東京)

 朝青西東京には本部と支部を合わせてサッカー、女子バレーボール、スノーボード、ゴルフ、釣り、料理、入浴愛好会など10を超すサークルがある。なかでも野球部は、伝統あるサークルのひとつ。野球を愛する同胞青年は誰でも大歓迎だが、とくに25歳以下の部員と女性マネージャーを募集している。

「オッサン予備軍」

 毎週金曜日の午後7時、西東京朝鮮会館裏の昭島市立昭和中学校校庭には、威勢の良いかけ声が飛び交う。仕事を終えての練習にもかかわらず、メンバーたちの表情は真剣そのもの。白球を追う彼らの姿は「パッと見はオッサン予備軍」でも、野球にかける思いと練習への意気込みは高校球児に負けていない。

 その意気込みと、年齢から来る体力の微妙なギャップが好プレー、珍プレーを見せることもしばしばだ。そんな時はみんなの顔から笑顔がこぼれ、練習が2倍、3倍に楽しくなる。

 練習や試合が終わると、「ミーティング」と称する食事会が行きつけの同胞飲食店で行われる。進行役は、私の同級生でもある監督の崔チュルギさん(32)だ。もちろん話題はいつも野球一色。強いチームを作るためにはどうすればいいのか、戦術、技術、精神面でのあらゆる討議が繰り広げられる。そしてそれぞれがひいきするプロ野球チームの話で盛り上がり、最後は3年前の夢のような「朝青中央体育祭」での思い出話に花を咲かせて終わるのがお決まりとなっている。

パルチザンのように

 3年前、われらが「レッドスターズ」は「朝青中央体育祭」で見事、優勝した。神奈川神港支部とのダブル優勝だったものの、初めての優勝経験にメンバー全員が「喜ぶ」というより「驚き」を隠せなかった。なぜなら、それまでは試合をすれば対戦相手に大量得点を与えて惨敗するのが常で、当時の朝青委員長から中央体育祭への出場を辞退するよう、申し渡されたことさえあったからだ。

 そんな弱小チームが、全国から強豪が集まる中央体育祭で優勝できるなんて―誰もがにわかには信じがたい結果だった。

 しかし冷静に考えてみると、「優勝」という大きな成果を得ることができたのは奇跡でも運でもなく、メンバーが心をひとつにして努力したからだと思う。「これではだめだ。なんとか体育祭で1勝を上げよう」という決意のもと、3年前から月1回だった練習を月2回、そして毎週へと徐々に定例化し、コツコツと練習を続けてきた結果が表れたのだ。

 その年には昭島市が主催した野球大会でも優勝し、昨年の朝青体育祭では3位に入賞した。まぐれではなかったことを示している。

 今年の目標は、「朝青中央体育祭での単独全国制覇」とチーム全体の若返り、そして西東京同胞社会の活性化に寄与すること―の3つ。これからも野球と同胞を愛する気持ちで強く団結し、同胞に明るい笑いと希望を与えられる強くて優しい「パルチザン」のような部を目指して、メンバー一同、力を合わせてがんばっていきたい。

[朝鮮新報 2003.4.24]