〈ざいにち発コリアン社会〉 ホール営業の請負業務「エイムズ」朴英鉄社長に聞く |
パチンコ店のホール営業を請負う株式会社「エイムズ」(本社=福岡・博多、朴英鉄社長=43)は、契約ホールにおいて、一般的な接客、サービス業務を代行する請負業務業だ。2000年6月に設立、九州全域を営業区域とする。同地域には同業者が約50社あるが、運営ノウハウをシステム化することで近年、急成長し、地域トップクラスを誇るまでに至った。契約ホールは約50店舗、登録スタッフ(アルバイト)は約500人。4月中旬からは東京支社の業務も開始した。朴社長に、事業内容、急成長の要因などについて聞いた。 人員管理を請け負う ―業務内容は。 アルバイトを募集し、面接、選考、研修を経て、契約ホールにスタッフとして送り込むことだ。ホールでのサービス内容は、一般、カウンター、ワゴンなど。登録スタッフ約500人中、ほとんどが大学生で、男女の比率は7対3だ。 請負業務は、人材派遣とは異なり、請負った企業がスタッフを管理する。人材派遣の場合は派遣先の企業が管理する。つまりパチンコ店の場合、ホール側は人員の管理を行わないため、その分の諸経費を削減できることが大きなメリットとなる。 ―具体的には。 正社員を雇用する場合、求人広告掲載、面接、選考、採用決定、連絡、試用雇用開始、そして基本給、交通費、保険料、昇給、賞与、寮、制服費、福利厚生費、退職金など1人あたりのコストはさまざまなところから発生する。しかし、ホール業務を委託した場合、毎月の契約委託料以外のコストは発生しない。差額は月約10万円という例もある。ホール側はホール営業を委託することで、終身雇用の問題、経費の削減、経費の一定化といった問題を解決できる。また契約ホールのほとんどがチェーン展開しているが、人員管理の手間を省き、ほかのところに力を注げると好評だ。 徹底した接客教育
―設立3年で九州トップクラスに急成長した要因は。 まずは、社の方針に則って、運営ノウハウをシステム化したところにある。企業化したとも言える。 契約ホール約50店舗からは、ホールスタッフの数人から半数、また忙しい金、土、日曜日に増員してほしいとの依頼を受けている。そうした要望に応えられるのは約500人という人材を確保(実動人員は1日約400人)しているからだ。3年前の会社設立当初、この業界には人員を適切に配置するシステムは構築されていなかった。諸先輩のアドバイスをもとに、パチンコ店の特性に合わせて対応した結果だ。 また現場でスタッフは、ホールの営業方針に従うものの、その土台となるサービスのマナー・心得については業務開始前に3日間、徹底して教育するため、正社員同様のサービス内容を提供できる。面接、選考も厳しくしている。 つまりやる気があるかないかという問題だが、その分、登録スタッフにもメリットを与えている。正社員、アルバイトの場合、休日の設定が難しいのが現状だが、わが社のスタッフは希望どおり休むことができる。ほかのスタッフを補給することができるからだ。時給も、ホール側が募集するアルバイトと同額を支給。月3回にわけて払っている。ホールおよび求職者双方のニーズに応え、メリットを追求している。これらは請負業務という方法もありえるという証で、ホールの活性化に役立っていると思う。(羅基哲記者) [朝鮮新報 2003.4.24] |