地域福祉文化の拠点に−京都西陣デイサービス「ハンマダン洛北」 |
京都・西陣同胞生活綜合センター1階に、同胞高齢者・障害者のための福祉サービス事業所「ハナマダン洛北」が1日にオープンした。NPO法人京都コリアン生活センター「エルファ」の3号店として開設された同センター。スタッフたちは「西陣地域同胞高齢者のための新たな拠点として活動を盛り上げていきたい」と話す。 同胞高齢者たちに心安らぐ場所を提供しようと、「エルファ」は2001年から京都・南区で在宅介護サービスを開始。京都・西陣同胞生活綜合センターのオープンに合わせ、市北部の拠点としてデイサービスを準備してきた。施設開設は宇治市内の分室に続いて3カ所目となる。 「ハナマダン洛北」の定員は15人。火、木、土曜日の週3回活動を行っている。スタッフは6人でハルモニたちの送迎や入浴サービス、朝鮮料理の食事、ストレッチ体操や朝鮮の歌、作業療法などのレクリエーションを行う。 「開設からまだ日にちが経っていないが、聞きつけた同胞たちから、入所したいという連絡がよくきます」と管理責任者の李喜代さん(51)は語る。 そして、「今はまだ週3回だが、1号店と同様、毎日続けていくことを当面の目標としている。登録されている同胞高齢者たちの数は現在17人だが、今後も数は増えていくでしょう」。 同施設ヘルパーの金里花さん(33)は、「基本的には『エルファ』と同じように活動していきます。朝鮮の食事、言葉、風習があふれる場はハルモニたちにとってとても大切な場所」と話す。 「エルファ」1号店・NPO事務局担当する南c賢さんは、「1号店だけでは、京都という広い地域をカバーするには限界があった。高齢者を抱える同胞たちの声を汲み取り開設に至った。スタッフたちみんなで発展させていきたい」と意気込む。 生き生きと、屈託ないハルモニたち
10日午前10時、センター内をのぞくとハルモニたち7人が集まっていた。途中から2人のハルモニも見学に訪れた。 李さんの指導により、まず始めに「エルファタリョン」と「故郷の春」を合唱し、ストレッチ体操。その後、朝鮮民謡に合わせてみんなで楽しく踊った。 またこの日は、京都朝鮮第3初級学校へ花見に出かけた。桜の花の下で弁当を広げ、チャンゴを叩き民謡を歌う。休憩中の初級部生徒も歌に誘われて一緒に踊った。ハルモニたちの屈託のない笑顔が何よりも印象的だ。 崔洙泰ハルモニ(79)は、「朝鮮の歌が大好きだから、みんなでこうやって歌えるのがとてもうれしいし楽しい」とほほ笑む。 同センターを見学に訪れた崔ヤモハルモニ(83)は、10年ぶりに京都第3初級を訪ねたという。「今日ここに来れるなんて思いもしなかった。ハッキョは思い出の場所。足が悪いのでなかなか来ることができなかったけど、この施設のおかげです。夢のようでとてもうれしい」と涙ぐんでいた。 ほかのハルモニたちも「100歳まで寿命が延びた」「西陣にこの施設ができなければこんな体験はできなかった。ほんま感謝しています」と口をそろえる。 西陣同胞生活綜合センターの金鐘現所長は、「『ハナマダン洛北』を同胞たちの新たな福祉文化の拠点として根付かせていきたい。西陣同胞社会の構築のため、同胞の意見、とくに若い世代の意見を取り入れいっそうの発展を目指していきたい」と力強く語った。(金明c記者) [朝鮮新報 2003.4.17] |