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「3人4脚」で学校守る−女性同盟、オモニ会、「ポッチクラブ」

オモニたちの活動により園児数は増加している

 兵庫・尼崎東朝鮮初級学校では、付属幼稚園の園児数減少に歯止めをかけるため女性同盟尼崎東支部、同校オモニ会、入園前の子どもたちと若い世代のオモニたちの集いである「ポッチ(さくらんぼ)クラブ」の3者が連携を取り合い、地道な活動を数年前から続けている。その活動が実を結び、今年は12人の子どもが入園した。

 尼崎東初級幼稚園の入園児数は、93〜97年の5年間、平均10人を超えていたという。しかし、98年から急激にその数が下降をはじめ01年は5人、昨年は5人と危機的状況におちいった。

 「仕事をするオモニたちが増え経済的負担の大きいウリ幼稚園には送らない家庭が増えたのがその理由」と話すのは、女性同盟尼崎東支部の文圭生子女教養部長(43)。

 「何の対策も立てずに眺めているだけではだめだと思った。そこで女性同盟支部、オモニ会、『ポッチクラブ』が連携を取り、具体的な行動をとることにした」(文圭生部長)

 「ポッチクラブ」が結成されたのは2年前のこと。入園前の子どもとそのオモニたちを対象に、互いの親ぼくをはかる場としての役割を果たしている。

 同クラブの特徴は、すでに朝鮮幼稚園に子どもを送っているオモニたちは対象外としていること。結成当時は、園児とそのオモニたちも対象にしていた。

 「しかし、子どもを幼稚園に送るオモニとそうでないオモニの間に微妙なズレが生じたり、他県から来たオモニたちが入りにくい雰囲気があった。そこで、入園前のオモニだけを対象にしたところ、活動がうまく行くようになった」と「ポッチクラブ」の責任者、朴昌美さん(34)は話す。

 現在の会員は28人で月に1回、音楽を使った「リトミック」や料理教室などを行い子どもとオモニがともに楽しみ交流が深められる活動を行っている。

 「子育てや家庭のことなどを話す場が必要不可欠。子どもがくったくなく楽しむ姿を見て、『朝鮮学校に入れよう』と考える父母が増えた。また、朝鮮学校に入れる前から顔馴染みになれるし、集まる場所も学校なので子どもたちも朝鮮学校に親しみを持つようになった」(朴昌美さん)

 同校オモニ会の朴美和会長(42)はこう話す。

 「オモニ会は今まで、バザーや講演会、キムチ販売など、学校の運営資金に役立つ活動を主に行ってきた。でもそれだけが学校のための活動ではないはず。みんな学校の教育内容に関心を持っているし、『生徒数を増やさなあかん!』という強い思いを抱いている」

 もともとオモニ会は、バレーボール部やチャンゴなどサークル活動が活発で、半数のオモニたちが参加するにぎわいを見せる。「それだけ結束力が強い証拠」(朴美和さん)。その結束力を生かして園児を増やす活動に本腰を入れるようになった。

 埼玉から尼崎に嫁いできた孔鳳順さん(35)は、幼稚園と「ポッチクラブ」に子どもを入れているため、両方の委員を務める。

 「同校では、入園前の子どもを対象に一日体験保育を毎年実施しているが、今までは入園願書を出した家庭だけが参加していた。それを今回は希望する親は誰でも参加できるようにし、多くの家庭を回って知らせた。これが好評で子どもたちが楽しむ姿を見た多くの親が『とてもよかった』と言って帰ってくれた」と笑顔で語る。

 「若いオモニたちのパワーがこれからは絶対に必要。女性同盟、オモニ会、ポッチクラブが『3人4脚』でこれからもハッキョのため、がんばりたい」。最後に文圭生部長は力強く宣言した。(金明c記者)

[朝鮮新報 2003.4.11]