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「地域力」生かした交流を−「エルファムジゲ」メンバーら京都まちづくり塾ミニコンサートに出演

 NPO法人として在日高齢者、障害者の支援活動を行っている京都コリアン生活センター「エルファ」(京都市南区)。「エルファ」の活動の一つとして、障害児を持つオモニたちの交流の場として昨年12月に設けられた「エルファムジゲ」のメンバーらが3月29日、右京ふれあい文化会館で行われた「京都市まちづくり塾支援事業第5回発表会」(主催=同実行委員会)のミニコンサートに出演、市民らにアピールした。

惜しみない拍手

歌を披露する「エルファムジゲ」のメンバーら

 「かわいい」「きれい」―、色鮮やかなチョゴリに身を包んだ「エルファムジゲ」のメンバーが登場すると、会場からは惜しみない拍手が送られた。

 公演に先立ち、「エルファムジゲ」で音楽療法を担当する呉純愛さん(24)が「これからも在日同胞の支援と日本のみなさんとの共生のため努力していきたい」とあいさつ。つづいてメンバーが重唱「アンニョンハセヨ」「ムジゲチャビ(虹をつかもう)」や独舞「チャンゴの舞」、独唱「ナルマダ(日ごと)」などを披露した。

会場からは惜しみない拍手が送られた

 最後は子どもたちのチャンゴに合わせ、会場の市民らと「アリラン」を合唱し公演を終えた。

 「ムジゲチャビ」と「ナルマダ」を作詞した金慶春さん(53)は、「『ムジゲチャビ』は障害をもった子どもたちが親しめる歌を、ということで作った。テーマは共生。多くの言葉より、この歌ひとつで『エルファ』のことがわかるようなものにしてみた」と話した。

 また、「ナルマダ」は「エルファ」に通う1世たちの故郷への思いを詩にしたもので、今後は2世、そして3、4世たちの故郷への思いを詩にして、3部作にするそうだ。

 公演を終えたメンバーは、別の一室で「ユンノリ(朝鮮のすごろく)」などの民俗遊びを市民らと共に楽しんだ。

 呉純愛さんは、「最初の頃は自分が何かやらなければと肩に力が入っていたが、最近は気持ちにもゆとりができて子どもと一緒に学んでいこうと思えるようになった。今回の公演で感じたのは、準備が大切だということ。とりあえず大きな一歩を踏み出せたと思う。よかった点と反省点を踏まえ、今後も人とつながるうえで大きな手段となる音楽を通じて頑張っていきたい」と感想を述べた。

地道な活動実る

 「まちづくり塾」は、元気な京都を作るために京都市が支援する市民活動で、当日はさまざまな市民、ボランティア団体がアトラクションやスタンプラリー、展示や催しなどを行った。

 「エルファムジゲ」が今回のコンサートに出演することになったのは、呉純愛さんと「京都の子供たちのための国際交流塾」の城山巌夫さんとの出会いがきっかけ。

 日本と在日コリアンの子どもたちがふれあうきっかけになればと思い、城山さんは民族衣装を着ることそのものがアピールになるので、チョゴリ着用を「条件」に出演を依頼したそうだ。

 「反響はおおむねよかったと思う。これからも在日コリアンを含めた外国の人々と地道な交流をしていきたい」と抱負を語った。

 「エルファ」の鄭禧淳理事長は、「『エルファムジゲ』が日本の市民の前で公演を披露するのは初めて。子どもたちが朝・日交流、国際交流の場で和気あいあいとした姿を見せられることは意義あること。みんなのがんばりと地道な活動で、地域でのつながりはどんどん広がっている。同胞高齢者、障害者問題や大学受験資格問題など、今後も地域力を生かした交流を深めアピールしていきたい」と語った。(李松鶴記者)

[朝鮮新報 2003.4.10]