朝鮮の味生かした家庭料理−居酒屋・みよちゃん(大阪府東大阪市) |
カウンターだけの店内には、焼鮭やおでんなどいくつもの家庭料理が並んでいる。 「もともと親せきのやっていた店をひきついだ」と話す徐仙伊さん(61)。店を始めて今年で19年になる。 居酒屋「みよちゃん」では、テチャン鍋を中心に朝鮮料理の基本である唐辛子とニンニクをベースにした「おふくろの味」を楽しめる。なかでも、ほとんどの客が注文するというスジ煮込みとホルモン煮込みは、口の中でとろけるほどの柔らかさで、一度食べるとクセになってしまう。 鶴橋に近いということもあり、食材は仙伊さんが毎週バイクで市場に出向き仕入れてくる。また、メニュー開発にも熱心で他店に足を運び参考になるものはすぐに実践に移すそうだ。 「みよちゃん」の魅力は、料理に限らず仙伊さんの人柄とどこか懐かしさを覚える店の雰囲気にもある。 店を始めた頃は、知らないことばかりで大変だったと振り返る仙伊さん。それでも当時は2人の娘と力を合わせて頑張ってきた。今では2人の娘も結婚したので、たまに手伝ってもらう以外は仙伊さんが一人で切り盛りしている。 「10年ほど前から毎年、お客さんと旅行やゴルフに行くようになって、その段取りをしている時が一番楽しい」と、仙伊さんは店内に飾られた記念写真を眺めながら話す。近所の同胞たちもよく利用するそうで、仙伊さんには大きな励みになっているとか。 「これだけ長い間やってるから、開店当時からの常連さんはみんなおじいちゃんになってしまった。だから最近の話題はもっぱら年金のこと」と微笑んだ。(松) おすすめメニュー:テチャン鍋(900円)、テチャンポッカ(700円)、スジ煮込み(400円)、ホルモン煮込み(400円)、チャンジャ(300円)など。 営業時間:午後5時〜12時。日曜定休。TEL 06・6732・0905 [朝鮮新報 2003.4.1] |