おぎオンマの子育て日記−「開き読み」 |
3月は、2人の娘の誕生月だ。ミリョンはオンマの手がふさがっている時には、迷わずチユニのひざへ行く。チユニの妹を可愛がる気持ちも、ミリョンの成長と共に発展する。離乳食を始めて、くさくなったミリョンのウンチを敬遠していたのに、この頃「ウンチの時は、どうやってオムツ替えたらいいの?」と聞くようになった。泣いていると絵本を読んであげる。 人見知りが激しく、どんなに眠くても抱いていないといつまでも泣いて昼寝をしない赤ちゃんだった。1度も泣かない日が来ることを、到底思い浮かべることができなかった。そんな時でも、お気に入りの絵本の一節を耳もとでささやくと泣き止んだ。絵が頭の中に浮かぶのだろうか。私たち夫婦は、活字中毒気味なので、この反応を心から喜んだ。その時から買い始めた絵本は100冊を越えた。 学校で図書室の整備が始まった。図書委員に志願した。委員のオモニが個人的に頼んで、公立図書館の職員が生徒たちに絵本の「開き読み」をしてくれた。一方通行ではないという事で、読み聞かせとは言わないらしい。サンホもチユニの横に座って、参加させてもらった。楽しかった。大人数だと、友人たちの気持ちも一緒に伝わる楽しさがある事を知った。終了後、すぐに本に寄っていく高学年の子供たちを見て、入り口を作ってあげる大切さも感じた。チユニの担任は、子供を楽しませる事を知っている先生だ。「開き読み」には適任だと、密かに期待してしまった。 朝のオンマはガミガミ怒ってばかりだ。特にひどい日は、出勤準備中のアッパが手を止める。「短いの1冊持って来い」。自分の5分を無いものと考えて、真剣に読む。私もチユニも気持ちを入れ替えて、1日を再始動する。 アッパのひとこと−すたすた歩く チユニもサンホもよく歩く。先日は大人の足で2時間はかかる登山道もすたすたと歩ききってしまった。全身で息をつかい、風の匂いや鳥の声を感じている。子供たちが平和に歩ける世の中を残してあげたいと切に思う。 [朝鮮新報 2003.3.28] |