不況下の経営課題を示唆−「同胞経済研究」第8号発行 |
「同胞経済研究」第8号(2003年春)が発行された。在日朝鮮人商工連合会経済研究室が中心となって編集している。 今回は、調査報告や論文、資料によって構成されている。 「同胞企業定期景況観測」(2003年1月調査)は、24の都道府県の各商工会の法人会員から300法人の経営者を選んで同胞企業の実態動向調査(調査期間1月15日〜31日)を行いその結果をまとめた。調査内容は、@景況A売上高B仕入れ価格C採算状況D資金繰りE設備F人手―の7項目。調査結果は、地方別にばらつきはあるものの、全体として現在の不況を反映するものとなっている。業種別の報告もなされているので一見の価値がある。 経営経理部編による「中小企業を取り巻く経営環境と経営課題」は、経済産業研究所がまとめた研究報告(2002年6月)の中から「優秀企業6か条」を分析し、今後の経営課題と経営姿勢を示唆している。経営者にとっては見逃せない内容だ。 「ペイオフ制度下における中小企業の財務問題」は、全面解除を2年延長されたペイオフ制度が中小企業にどのような影響をおよぼすのかについて研究している。ペイオフ凍結解除による中小企業の資金難をどのように乗り越えるべきなのかを「間接型直接金融」に言及しながら示唆に富んだ提示がなされている。 「『核危機』解決過程は東北アジア新秩序確立の契機」は、朝鮮半島の核問題を朝米間をはじめとする国際関係の中から解説した。 発行、問い合わせ=在日本朝鮮人商工連合会(TEL 03・3844・4111、FAX 03・3844・3430、URL=http://www.korea-fci.com) [朝鮮新報 2003.3.18] |