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大阪の味にこだわる−お好み焼き、鉄板焼き・おうさか苑(東京都新宿区)

 大阪の鶴橋で10年間、お好み焼き屋をやっていた金顕淑さん(62)が東京に移り住むようになったのが84年のこと。東京で本場大阪のお好み焼きを食べてもらおうと86年から始めたのがこのお店だ。

 「大阪のお好みはキャベツが多いのが特徴。開店当時からかたくなに大阪の味を守ってます」と顕淑さん。

 お店に貼ってある「お好み焼き4カ条」がそのこだわりを物語る。「厚みをつける。うすく広げない」「両面をこんがり、中はふっくらと」「2度返してからソースをぬる」「テコで食べてみよう」という内容だ。大阪の味が口コミで広がりお店は軌道に乗っているという。関西出身の客が60%を占めるとのこと。

 こだわりは素材にも現れている。ソースとネギは大阪から宅配便で取り寄せる。神戸から仕入れるドロソースと呼ばれるピリカラソースもある。粉は前日に鰹ダシで溶き一晩寝かせる。キャベツは毎日、必ず包丁でカットする。包丁でカットすることにより、キャベツのやわらかさによって太さが調節できるし、甘味も出るのだそうだ。

 このお店のもう1つの魅力は、顕淑さんの人情味あふれる人柄だ。何年ぶりかで来た客でも顔を忘れずに「久しぶり」と声をかける。客も「おばちゃん」と気軽に声をかける。結婚の報告に来たり、東京に出張があると必ず訪れる客もいる。

 「お好みの王道は豚玉だ」と言う顕淑さん。実際に食べてみると、素朴で懐かしいお好み本来の味が口の中に広がる。徹底的に本場の味にこだわったその美味しさは太鼓判だ。

 JR新大久保駅から徒歩1分。1500円あれば満足して帰れる。そしてまた行きたくなるお店だ。(徹)

 おすすめメニュー 豚玉(680円)、ネギ玉(1000円)、ネギ焼き(1000円)、カレー玉(850円)、そばメシ(900円)、豚キムチ焼き(800円)、ネギすじコン焼き(800円)、カキバター(1000円、冬季)など

 営業時間 午後4時〜11時ラストオーダー(日、祭日は10時)。定休日第1、3水曜。TEL 03・3364・3202

[朝鮮新報 2003.3.12]