「マイノリティー」の強さ |
暦の上では立春を過ぎたとはいえ、まだまだ寒さの厳しい札幌市で先日行われた「強制連行、強制労働犠牲者を考える北海道フォーラム」。しんしんと雪が降り積もるなか、会場には早くから大勢の人々が詰めかけた。同院関係者をはじめ地元の総聯、民団、宗教家、民衆史研究グループのメンバーはもちろんのこと、制服のチマ・チョゴリに身を包んだ地元朝鮮学校の生徒や南から参加した大学生、長靴を履いてやってきた日本人女性…。参加者たちの話を聞きながら、昨年の9.17以降、反朝鮮キャンペーンが大々的に繰り広げられ、在日同胞に対する嫌がらせが相次ぐという異常な情勢のなかで、正しい歴史認識を堅持しようとこのような場所に集う人々がいることにほっと安どした。 彼らの主張は共通していた。「遺骨は、強制連行、強制労働の責任者である日本政府と相手企業が責任を持って遺族のもとに返さなければならない」。 ある日本人参加者は「国家責任、企業責任の所在を明らかにしなければこのような犯罪は再び繰り返される。2度と過ちを犯さないために自分自身の責任を担う。それが歴史認識だと思う」と述べていた。 歴史認識を共有し、東アジアに和解と友好の時代を開いていこうとする、国籍、思想、信条を超えたこのような動きが各地で広がりつつある。尹健次・神奈川大教授はこの日の講演で、「正しい歴史認識を持ったマイノリティーは強い」と述べた。 一方的な論理のみがまかり通り、自分が正しいと思うことを率直に述べる場が失われている最近の日本社会において、これらの参加者たちは残念ながらマイノリティーである。それでもフォーラムに参加しながら、彼ら「マイノリティーの強さ」を実感するとともに、自分自身もその一員としての「強さ」をいっそう強固なものにしていこうと心に誓った。(花) [朝鮮新報 2003.2.25] |