東京で「JAPAN−KOREA」ワークショップ |
「次世代の子どもたちに北東アジアの平和、共生をどのように伝えていくべきか」―。15、16の両日、東京・水道橋の在日本韓国YMCAで「JAPAN−KOREA」ワークショップ(主催=同実行委員会、日本国際ボランティアセンター「JVC」、協力=南のNGO「南北オリニオッケドンム」、グッド・フレンズ)が行われ、北南朝鮮と在日コリアンの子どもたちの交流、朝鮮民主主義人民共和国への人道支援に取り組む日本と南のNGO、ジャーナリスト、教育関係者が実践や課題を話し合った。
近年、「オッケドンム」と日本のNGO「南北コリアと日本の友だち展」の発案により、北南朝鮮、朝鮮学校の子どもの絵が平壌、ソウル、日本で展示され、昨年10月には東京都内の朝鮮学校の教員と児童らがソウルを訪問し、南の教員、児童たちと交流する初めての試みが実現した。ワークショップでは、このプロジェクトに関わった「オッケドンム」の鄭炳浩・漢陽大教授、李ギボム・淑明女子大教授、朝鮮学校の金聖蘭教員(東京第5初中)、成必麗教員(東京第8初級)らが発言した。 鄭教授は、幼い頃から受けた反共教育により、長年朝鮮学校に対しては偏見を抱いてきたが、プロジェクトをきっかけに朝鮮学校の存在理由、価値を再認識するようになったと述べ、「日本政府の閉鎖的な教育制度の中で50年以上も存在してきただけでも奇跡的なことだ」と評価。朝鮮学校の歴史と教育実践が統一、民族文化を統合するための先駆的な努力、事例として活用される日を望むとエールを送った。 また、同校の子どもたちへの嫌がらせが増えていることに胸を痛めながら、「嫌がらせの背景にある言論、世論操作、政治的脅迫や弾圧に打ち勝ち社会を民主化できるよう努力を注いで欲しい」と参加者に促した。
また、東京第5初中の金聖蘭教員は、日本人拉致事件とそれを取り巻く日本の状況は、民族とは何か、在日朝鮮人とは何かを突きつけたと語りながら、子どもたちが描いた絵と作文を紹介した。「子どもたちは、とまどい、苦しんでいる。朝鮮の子どもには自分を好きになる、自己肯定することすら許されないのだろうか」。 狂乱的な報道に関してはほかにも、ジャーナリストの野中章弘氏が「情緒的、煽情的で本質に迫っていない。事実に対する検証が欠けている」。津田塾大の林哲教授は、「朝・日の歴史的で本質的な問題は拉致問題に尽きるのか」と問題提議しながら、「過去に植民地支配した国と50年以上も国交を結ばず和解を実現していない異常な関係が続いている。朝・日国交正常化交渉に対する本質的な歴史認識が欠けている」と述べた。 JVCは、他団体とともに、平壌市順安区域の託児所に太陽光パネルを設置。深刻なエネルギー不足が続く農村部のエネルギー支援を続けている。事務局長の筒井由紀子さんは、人道支援すら否定されかねない現状に危機感を募らせながらも再度その意義を強調。「あなたたちの国以外の人が励ましているという平和のメッセージを送ることができる。触れ合うことで信頼を築くことができる」と支援の継続を訴えた。 [朝鮮新報 2003.2.24] |