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焼肉塾−朴泰道・叙々苑社長の講演

 「焼肉は私の天職!−コリアンドリームの創造と実践」と題する朴泰道氏の講演内容の一部を紹介する。

 昔の話は知っておく必要がある。朝鮮料理の歩みについて簡単に述べたい。

朴氏の講演に聞き入る参加者ら

 現代の調理方法は、1世があみ出したものだ。

 例えばタレ。かつては「一本漬け」と言い、生醤油と生砂糖で注文が入ってから作った。そのため一定の味を出すのが難しく、人によってしょっぱかったり、甘かったりもした。そこで味の変動があまりないようにと、作り置きしたタレが考案された。みりんと酒を使うことで味の変動があまりなくなる。

 日本にある焼肉、その食べ方は、在日が作り出したものだ。「とんちゃん」から始まった。ヤンニョンで味付けし、七輪で焼いて食べた。

 センマイ。水で洗った後、塩を少し入れてもむと黒いアクがでる。その後また一枚ずつ水洗いする。

 もやしのゆで方は、水を多く入れすぎると、味が水に吸い込まれて味が落ちてしまう。少量にすべきだ。塩も多すぎるとしおれてしまう。少なければサクサク感が増す。

 朝鮮料理の特徴について述べたい。

 朝鮮料理は、口の中で各料理が混ざる複合の味と言える。例えば、刺身やナムル、ご飯などをサムチュで巻いて食べるからだ。いっぺんに口の中に入れて混ぜて食べるのが一番だと思う。だからそうした調合を念頭に、一品一品大切に作るべきだ。

 焼肉屋の3大オーダーはカルビ、タン塩、キムチだと言える。だからこれに多くの力を注ぐべきだ。

 焼肉屋の発展の裏にはキムチの存在がある。わが民族の最高傑作と言える。各種朝鮮料理の味を引き立てる役目もするので、キムチ作りの努力は欠かせない。

 最後に、店作りの考え方。この業界で生き残るには、おいしいということは当たり前で、それに付加価値が求められる。

 ホールでは、お客様に対する「目配り」「気配り」「思いやり」が必要だ。そのためには、従業員に対する待遇をよくしなければならない。そうすれば止めることもなく、定着する。そのための経営者の努力も必要だ。

 料理は心のこもったものを提供したい。味とセンス(盛り付け)、スピードが求められる。プロとは、いつも同じ味のものを同じスピードで早く提供すべきだと思う。

[朝鮮新報 2003.2.22]