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不良債権問題で研究会−在日本朝鮮人人権協会

 在日本朝鮮人人権協会は8日、民族金融機関の破たん、再生にともなう諸問題に対応するための「同胞企業再生に関する研究会」を東京・上野の朝鮮商工会館で開いた。同協会の弁護士、公認会計士、税理士、司法書士や在日本朝鮮人商工連合会、東京、新潟、埼玉、栃木、群馬、長野の商工会の活動家ら100余人が参加した。

 関西地方で不良債権処理に携わっている同協会会員の「薫弁護士が講演。民族系金融機関の全債権中、約80%といわれている不良債権の処理、清算なくしては在日同胞社会の経済基盤の回復、正常化は困難だと指摘。当面の課題は「旧朝銀からRCC(整理回収機構)に譲渡された不良債権を整理し正常化させ、同胞とその企業の再生に寄与することだ」と述べた。

 続けて不良債権の処理方法として@返済の分割化、長期化A担保物権の任意売却による一括整理(新会社設立、会社分割など)B民事再生の申し立てC破産の申し立てD事業の廃止−などを実例をあげながら説明した。

 さらに不良債権処理の活動方針として、@法令遵守A依頼者の営業秘密、プライバシーを守り、適正価格、良質のサービスを提供B弁護士、公認会計士、税理士、不動産鑑定士、司法書士、行政書士など専門家集団のネットワークを構築し、円滑な業務を遂行できる態勢作りCRCCと信頼関係を構築し、協力関係を維持D企業理念を実現するパートナーとして民族金融機関に協力を要請し、信頼関係を構築−などをあげた。

 一方、同胞法律家や商工会は、同胞が企業活動や生活を再建できるよう、正確な情報を伝えることが急務だと対応を促し、不良債権を抱えた同胞は発想、行き方を劇的に変える決心で問題に対処すべきだと強調した。

 また、同胞が制度的な差別のなかで特定の業種に偏らざるを得なかった事情やその業種を開拓し、その業種がバブル経済破たんの強い影響を受け多量の不良債権が生じた経緯を説明しながらも、「企業努力が足りず前近代的な企業経営、融資を行ってきたことも原因だ」と述べ、「不良債権問題を総括し、現代、世界に通じる企業家、経営者を育てることがわれわれの担った責任だ」と関係者に奮起を促した。

[朝鮮新報 2003.2.11]