焼肉塾・金信彦準備委委員長に聞く |
すでに若手が中心 ―焼肉業界の現状をどのように認識しているのか。 他業種からの参入、低価格化による集客など、朝鮮料理(焼肉)業界では新たな展開が見られるが、焼肉を「創造」したわれわれ在日こそ、この業界をリードしていかなければならない。焼肉はアボジ、オモニたちが作り上げたオリジナルのものであり、その味と伝統を守ることが若い同胞経営者の課題といえる。 焼肉塾はこの課題をなし遂げ、夢と希望を実現させるために立ち上げる。若手がすでにこの業界の中心を成していることも強く認識してもらいたい。 悩みも一緒に解決 ―第1期でとくに学んでもらいたいことは。 これまでの協議では、若手が求めているもの、また若手に求められるものが何かを話し合い、それに応えられる会にしていくことで合意を見た。 とくに各地繁盛店の見学では、全身で何かを感じ取ってもらいたい。そして自分を自分で分析、評価し、経営者自身が変わってほしい。「儲け」はあくまでもその結果であり、まずは創造力と行動力が求められる。また、本音で語り合い、よい情報があれば共有し、悩みがあれば一緒に解決していこうと呼びかけたい。 準備委員会の事務局には、対象は「勝ち組だけですか」「個店でもかまわないですか」という問い合わせもあった。そういうことに一切こだわらず、一緒に手を取り合って夢を実現させていきたいと思っている。 誇り持って業界改革 ―大きな関心が集まるなかでの発足となりそうだが。 自らの門を閉ざす必要はない。かつては私も通名を名乗っていたが、今は堂々と本名で仕事をしている。この業界だけでなく、他の関連業界でも「在日」を積極的にアピールすることで、利点も生まれる。 また、「肉屋の家には嫁はやらない」という言葉もあるほどたいへんな仕事だが、誇りを持ってこの業界でがんばってほしい。そのためにはわれわれ自身が業界のイメージを変えていく必要がある。 何もないところから出発したアボジ、オモニの子どもたちなら、必ずできると確信している。 [朝鮮新報 2003.2.1] |