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本質語られないNPT脱退

 「北朝鮮のNPT(核拡散防止条約)脱退」−日本の専門家らは「米国との対話を求めた捨て身の瀬戸際外交、戦術」などという。朝鮮が「対話」を求めているのは事実だ。しかし、日本のマスメディアは問題の本質についてほとんど指摘していない。

 そもそもの発端は、米国が義務事項である重油の提供を中断して朝米基本合意を無効化したところにある。朝鮮は1993年3月、IAEA(国際原子力機関)の不公正さ、米国の脅威からNPT脱退を宣言したが、朝米共同声明(同年6月)に基づき脱退の効力発生を臨時停止させた。

 このような「特殊地位」を維持してきたのは、「軽水炉提供と代用エネルギー(重油)保障に対する米国の諸保証を得たうえで、朝鮮は黒鉛減速炉と諸関連施設を凍結し、究極的には解体する」ことを基本合意(94年10月)で約束したからだ。

 しかし、重油の提供中断、今年までに提供するとした軽水炉の未完成などにみられるように、米国が合意事項を履行する考えがないなら、朝鮮も同じ立場を取るということだ。これが実情、現実、現状である。

 にもかかわらず、米国は自ら交渉に乗り出すのではなく、「CIA支部」とも指摘されるIAEAを使って核開発を放棄しろとの「決議」を採択(1月6日)させ、それを履行しなければ国連安保理に提起して制裁を加えるとの最後通牒までしてきた。ブッシュ米大統領は14日、北が軍備の縮小や核開発計画の放棄を決めれば、エネルギーや食糧の支援を検討できるとの考えを示したが、またしても問題の本質、基本合意から目を背けた。

 基本合意が履行されれば国交樹立、朝米間の停戦状態♂消へと向かう。朝鮮人民の「決死の覚悟」(労働新聞)もなくなる。朝米は今、ともに「基本合意の有無」ついては言葉を濁らせている。「対話」から出発しなければ平和的解決は遠いだろう。(基)

[朝鮮新報 2003.1.21]