101体の遺骨に思う |
新しい1年の始まりを祝う今年の正月、北海道札幌市の西本願寺札幌別院を訪れた。日本帝国主義の植民地支配によって戦前、北海道に強制連行された朝鮮人の遺骨が保管されている寺院である。雪景色のなかにライトアップされた立派な外観。眺めながら、死亡者名簿が存在したにもかかわらず一部関係者らが独断で「合葬」したため身元の確認さえもできなくなってしまった101体の遺骨に思いをはせた。 多くの朝鮮人が強制連行され、炭鉱や建設現場などで過酷な労働を強いられた日本最北の地、北海道。その労働のあまりの辛さに逃亡し、捕らわれた彼らを待ち受けていたのは、耐えがたい拷問だった。「コンクリ床に正座させられ、手には水いっぱいの洗面器を持たされ、少しでも姿勢がくずれようものなら、ところかまわずムチが、椅子が飛ぶ。気を失えば水をかけられる。手も足も縄で縛られ、その上にムチが飛び、のたうち回る光景はとても正常では見ていられるものではありませんでした…」(現場を目撃した札幌在住のある主婦の談話。「札幌別院納骨堂に置かれた朝鮮人遺骨合葬問題に関する報告」から) 寺院の奥底からは、このような強制連行、強制労働の末に無念の死を遂げ、半世紀以上もの間、家族のもとへ帰ることができないでいる彼らの慟哭が聞こえて来るようだった。 この問題の加害責任が強制連行、強制労働を行った日本政府にあることは言うまでもあるまい。自らの犯した罪に顔をそむけず、平壌宣言の精神に沿い、加害責任者が責任を持って遺族のもとへ遺骨を返還していく過程こそが、過去を清算し、平和な未来を築く道へとつながる。 家族、親せきが集い、楽しいひと時を過ごす正月にも、心をすり減らすような思いで祖父や父の消息を待ち続けている遺族たちがいることを、日本政府は忘れてはならない。(花) [朝鮮新報 2003.1.8] |