新年に際しての総連中央常任委員会徐萬述議長のあいさつ |
愛族愛国の心を合わせ新たな同胞社会創造へ 同胞のみなさん。 私は新たな希望と抱負を胸に、新年を迎えたすべての在日同胞のみなさんに総連中央常任委員会の名で祝賀のあいさつを送ります。 昨年は、金日成主席の誕生90周年と金正日総書記の誕生日を民族の大慶事として記念した歴史的な年でした。 とくに9月17日、金正日総書記と日本総理との会談、歴史的な平壌宣言の発表は、世紀を越えて続いてきた不幸な朝・日関係史に終止符を打ち善隣友好の新たな時代を開くものであり、在日同胞に明るい展望をもたらし、アジアの平和と安定に大きく寄与する歴史的な出来事でした。 昨年、金正日総書記は強盛大国と祖国防衛のための困難な路程を歩みながらも、いつも総連と在日同胞のことを思い愛情あふれる手を差しのべられました。 とくに、2月には在日朝鮮人祝賀団と総連本部委員長代表団、在日朝鮮人芸術団と会見し朝鮮大学校と金剛山歌劇団に援助金を送り、4月にも総連議長と会見するなど、金正日総書記の在日同胞に対する度重なる配慮はわれわれにとってどれほど大きな鼓舞となったことでしょう。 祖国で行われたマスゲームと芸術公演「アリラン」は、金正日総書記が導く朝鮮だけが創造できる世界的傑作だと全世界の人々を驚嘆させ、公演を観覧した多くの同胞と総連奉仕団はもちろんすべての同胞に民族的誇りを与えてくれました。 昨年は、総連第19回全体大会で示された21世紀の在日朝鮮人運動の進路と新しい同胞社会を実現するため、総連の活動において新たな転換と発展の道を拓いていく力強い前進の年でした。 総連中央委員会第19期第2回会議は、同胞社会と民族性を守っていくことを総連の使命として提起し、教育文化事業と同胞生活奉仕活動を2つの大きな柱とする幅広い愛族愛国運動を繰り広げることを訴えました。 とくに、総連は朝鮮初中級学校を同胞子弟であれば誰もが学ぶことのできる幅広い同胞民族学校へと変える新たな方針を打ち出し、若い世代をはじめとする同胞たちは民族教育運動に情熱を注いでくれました。 民族性を守り継承していくための文芸、体育活動もいつになく多種多様で活発に行われました。 日本の各地に作られた同胞生活相談綜合センターは、同胞の大小さまざまな生活相談案件を誠意を持って解決し、民族結婚のための活動や同胞高齢者、障害者への援助活動も、同胞の奉仕者としての総連の役割をいっそう高めました。 経済不況と金融不安、「BSE(狂牛病)」騒動により商工人が大きな被害を受けるという極めて困難な状況の中で、商工団体は同胞企業の経営を献身的に支援しました。また新設組合である近畿地方のミレ信用組合、ひまわり信用組合、京滋信用組合は8月に、関東のハナ信用組合は12月に開業することになりました。 3つの地方で行われた「総連分会代表者大会−2002」は、前例のない複雑な状況のなかでの開催でしたが、総連と女性同盟の分会などの貴重な経験を一般化し分会の新しいスタイルを創造していく誇りと確信に満ちた画期的な大会となりました。 女性同盟結成55周年を記念する本部や支部、分会での多彩な行事は、女性同盟の誇り高い成果と同胞女性の愛族愛国の熱気で沸きかえりました。 青商会は、平壌学生少年芸術団の日本公演準備事業を献身的に推し進め、公演の中止によるショックを乗り越えて「民族フォーラム2002in大阪」を成功させ、組織の強化と運動発展の貴重な契機をもたらしました。 昨年、総連活動家と同胞は6.15共同宣言のもと、統一の扉を開くための全民族的運動に力強く合流しました。 総連同胞故郷訪問団とともにワールドカップ観覧団、アジア大会総連応援団を始め多くの同胞が南朝鮮を訪問し、特に在日朝鮮学生少年芸術団と金剛山歌劇団の訪問は異国の地で民族の魂と愛国の代を継承する民族教育の正当性と生活力を大きくとどろかせ南の人々の賞賛を受けました。 昨年の9月17日以降、米国ブッシュ政権の指示のもと日本の右翼反動が大々的に行った反朝鮮、反総連、反朝鮮人策動により、総連の前途には結成以来類例のない難関が立ちふさがりました。 とくに、日本の右翼反動と言論マスコミの拉致問題を拡大化した狂気に満ちた騒動により同胞が受けた心の痛みは甚大で、朝鮮学校学生にまで攻撃を加える反動勢力に対する民族的憤激は忍耐を超えるほどのものでした。 総連中央は日本政府当局に学生の安全を守ることを強く要請し、反動勢力の卑劣な行為を指弾する社会的世論を盛り上げるとともに、総連活動家が父母とともに通学路に立ち学生たちを守りました。 総連中央の活動家は日本各地の活動家と同胞を訪ね、真摯に意見を交換することで一年を締めくくり新年を迎えました。 まさに昨年は、総連に結集した同胞が愛族愛国の思いを胸に試練と難関に打ち勝ちながら貴重な経験と成果を積み重ね、総連の路程において忘れることのできない足跡を残した闘争と前進の一年でした。 私は総連のすべての活動家と愛国的同胞に心からの敬意と感謝を送ります。 同胞のみなさん。 新年2003年は、朝鮮民主主義人民共和国の創建55周年を迎える意義深い年です。 6.15共同宣言の旗印のもとに前進する北と南、海外のすべての同胞の統一運動は誰も止めることができない民族史の大河となって広がっています。 朝鮮の核施設の稼動と建設問題は、米国が朝米基本合意文で明記された履行事項を一方的に違反したことからとられた自主的処置であり、この問題は朝鮮の正当な主張どおりに朝米間の対話と不可侵条約締結により解決されなければなりません。 朝・日関係正常化も両国人民の利益と時代の要求を反映した平壌宣言があるかぎり必ず実現されるし、在日同胞の新たな未来も現実のものとなるでしょう。 総連は第19回全体大会で、新たな世紀の在日同胞の未来は民族性と同胞愛で団結したむつまじく豊かで力強い同胞社会を作ることにあるというビジョンを明確に示し、このビジョンの正しさを証明する経験を積み上げてきました。 総連にとって新年は、2004年に開かれる第20回全体大会に向け同胞社会の新たなスタイルを作り上げていくうえにおいて決定的な転換と発展を実現させる重要な年です。 総連中央は新年に際し、真の愛族愛国の民族団体、同胞団体として、同胞生活の安定と幸福のために奉仕する権益擁護団体として、組織のスタイルと活動を大きく変えていくことを固く決心しています。 そのために、総連中央の活動家が率先してすべての活動家が同胞のなかにさらに深く入り同胞と常に呼吸をともにすることを基本活動方式として実践していきます。 そして、教育文化事業と同胞生活奉仕活動、分会の新たなスタイル創造のために活動家と同胞がともに議論し創造的な知恵と力を合わせていきます。 総連は、日本の人々が平壌宣言に基づき朝・日国交正常化の実現に向け積極的に進むようにし、6.15共同宣言のもと統一の扉を開くために各界各層の同胞の団結した力で寄与していきます。 総連は共和国創建55周年にあたる意義深い新年に、同胞が祖国を愛し自主独立国家の海外公民としての民族的尊厳と栄誉を守れるよう与えられた任務をやり遂げます。 私は在日同胞のみなさんが激動する情勢のなかで迎えた新年に、総連の愛族愛国偉業に対する信念にあふれ固く団結した力で大きな成果を達成することを確信しながら、みなさんの健康と幸福を願っています。 在日本朝鮮人総連合会中央常任委員会議長 徐萬述 [朝鮮新報 2003.1.1] |